2015年のRawstyle有名曲をまとめる
Rawstyleを聴き始めてからそれなりに時を経てきたので、昔のリリースを年代ごとに振り返ってみることにした。
自分がクラブでRawstyleを意識して聴き始めたり、DJでRawstyleのトラックを使うようになったのが2015年からなので、まずはこの年からまとめてみようと思う。
最近気にいってる曲とかというより、当時よくクラブで聴いたとか、話題になってたといった点を重視して選曲する。なのでマイナー寄りなレーベルの曲はあまり紹介しない。というかそういうのはまた別枠でやりたい。
Hardsyle.comのTOP40のアーカイブとかQ-Danceの年間TOP100等も参考に、国内外で通用するリストを作っていく…
高まってきたところでいってみましょう
Adaro & E-Force – Oldschool Flow (Roughstate)
いざ2015年を振り返ってみると、とにかくすごいのがAdaroとRan-D。出していた曲全てヒットしていたと言っても過言ではなく、さらにはB-Front・Frequencerzとともにレーベル「Roughstate」をスタート。とにかく勢いがあった。
Adaro & E-Force ft. MC Nolz – Open the Gates (Roughstate)
特に東京では古来からのRawstyle DJ・Bassfreqが当時出演の度にこの曲をプレイしていた事もあって、極端に記憶に残っている人も多いはず。
Ran-D – FCK EDM (Roughstate)
二人が凄いのはRawstyle勢だけではなくHardstyle勢にも結構人気があったところ。もはやEDMという単語が懐かしいが、「FCK EDM」はRawstyleをそれほど知らない人でも好きだったんじゃないかと思う。
Gunz For Hire – This is Los Angeles (Roughstate)
AdaroとRan-Dによるユニット、「Gunz For Hire」も当時から猛烈に好調だった。「Brooklyn」「May God Be With You All」なども名曲だけどクラブで一番聴いたのはこれだと思う。
Adaro ft. Danny Scandal – For the Street (Regain Remix) (A2)
2013年のAdaroのトラックをRegainがブルータルにリミックスした曲は、Q-Dance Top100で2位を獲得。ちなみに1位はNCMBのSolar。
Ran-D ft. Skits Vicious – No Guts, No Glory (Defqon.1 Anthem 2015) (Q-Dance)
さらにRan-DはDefqon.1のアンセムを担当。後半でBPMが一気に上がり、ハードコアへとアプローチしていくのも特徴的で、Defqon.1アンセムの中でも攻めた仕上がり。
Hard Attakk – Go! Go!! Go!!! Go!!!! (A2)
謎の覆面ユニット「Hard Attakk」が突然現れて話題に。髪型から「ShowtekがHardstyleにカムバックしたんじゃ?」と言われたり言われなかったりしていた。実際はThe Prophetと……誰だっけ
Delete – Just Do It (Theracords)
まだTheracordsメインで活動していたDeleteのトラック。丁度その頃ミームにもなっていた「Just Do It」ネタのサンプリングとパワフルなキックは強烈なインパクトがあった。
The Geminizers & Delete – Evolve (The Magic Show)
ちょっとオタク向けになるが、毎週Podcastをアップし、若手Rawstyleアーティストを擁していたレーベル「The Magic Show」からリリースされたこちらも隠れた名曲。
Sub Zero Project – Funky Shit (Anarchy)
今やトップアーティストのSub Zero Projectが頭角を現し始めたのもこの頃で、当時はDirty WorkzのRawstyleレーベル「Anarchy」に所属していた。今と少しスタイルが違うけどめちゃくちゃ格好いい。
Atmozfears & Sub Zero Project – Madman (A2)
また、同時期「Release」「Reawakening」などでHardstyleシーンでもブイブイ言わせていたAtmozfearsもいち早くRawstyleにアプローチしていて、SZPとのコラボトラックをA2から発表したりもしていた。
Riiho – Annihilation EP (Anarchy)
この頃のAnarchyはSZPだけでなくPhuture Noizeなども参加していて精力的だった。特にRiiho、Stereotuners、Digital MindzなどAnarchyならではのアーティストらが発信していたダークな路線のRawstyleからは、レーベルとしての色を感じられた。
Requiem – Collateral Damage (Fusion)
老舗レーベル・FusionもRawstyleのリリースが盛んな頃。特に2014年にデビューしたRequiemはこの年「Collateral Damage」等のヒット曲を連発。「シャツの襟よれすぎだろ」などと思っていた。
Jack of Sound – 911 (Fusion)
FusionのRawstyleアーティストといえばやはりJack of Sound。これも聴き飽きるほど聴いた曲。Sevenの影響もあってか(?)この時期はBPMがシフトするトラックをちらほらと見かけた。
Regain – Broken (Heart For Hard)
クラブで初めてRegainのキックを聴いた時の衝撃は忘れられない。アグレッシブすぎるキックはどれだけ聴いても飽きなかった。先述のFor The Streetのリミックスもあり、Regainもこのあたりから頭角を現し出したイメージ。
Warface – The 9 Circles (End of Line)
2014年にEnd Of Lineを設立したばかりのWarface。この頃のWarfaceは今(2021年)と比べるとかなりダークで無機質なトラックが多く、ハードコア・プロデューサーのN-Vitralともコラボし「Fuck The Drum Machine」を発表した。The 9 Circlesは「Disphoria」「Warzone」など良曲づくしのアルバムだった。
Gearbox Digital – Hybrid Warfare (Gearbox)
当時のGearboxは今に比べるとまだまだマ二アックで荒削りなレーベルだったように思う。特に様々なアーティストが参加したコンピレーションアルバム「Hybrid Warfare」は実験的で面白かった。
D-Sturb – Until It’s Gone (Gearbox)
まだD-SturbがGearboxからリリースしていた頃の名曲。Thyronなどによって何度かリミックスされていたりと根強い人気がある。
Sasha-F & Rooler – Number 23 (Spoontech)
当時の自分はSpoontechなんて知らないも同然だったものの、そんな中で異彩を放っていたのがこのトラック。今となってはPsystyleやらGated Kickやらで珍しくないけど、この頃には斬新すぎた。
Radical Redemption – The One Man Army (Minus Is More)
今も昔もRawstyleシーンを牽引するRadical Redemptionは3枚目のアルバム「The One Man Army」をリリース。「Brutale 5.0」はBrutaleシリーズの中でも未だにお気に入り。
Digital Punk & Adaro – Whiplashed (A2)
当時ヒットした映画「セッション」を豪快にサンプリングしたトラック。この頃のA² RecordsはAlpha²、Digital Punk、E-Forceが所属していた他、様々なトップアーティストが参加していたのもあって、「Rawstyleのメインストリーム=A² Records」くらいの印象を持っていた。
Endymion & Kutski – Ravers Religion (Nightbreed)
2015年には、Hardcore方面で活動していたEndymionがRawstyleレーベル「Nightbreed」を始動。MYST(a.k.a. Pandorum)やHigh Voltage(a.k.a. Nosferatu)など、Hardcoreシーンで既に著名なアーティストらが参加し、他のレーベルとは一味違う個性を発揮。特にHappy Hardcore方面でも活動していたKutskiとのコラボトラックは、声ネタも相まって日本でも人気が高かったんじゃないかと思う(今の音ゲーファンって三倍アイスクリームとかわかるんだろうか?)。
Freakz At Night – Freakz (Hard Bass 2015 Team Red OST) (b2s)
「ドゥワドゥワ」でお馴染み。Deetox、E-Force、MC DLによって結成されたユニット「Freakz At Night」によるHARD BASS 2015のためのダークなRawstyle。
E-Force – Blood Written (Qapital Anthem 2015) (Q-Dance)
2014年に「Seven」が大ヒットしてめちゃくちゃ勢いがあったE-Force。Deetoxとの合作「Rawness」等に加えアンセムを2曲手掛けていて絶好調。
振り返ってみるととにかくAdaroとRan-Dの年だったのかな、と思う。いわゆる泣きメロって感じのユーフォリックなHardstyleが大流行していたのもあって、東京のクラブではRawstyleはマイナーかつ嫌われてたりもしていたけど、「FCK EDM」とか「This is LA」とかは普通のHardstyleファンも巻き込んで盛り上がっていた。
この頃は今と比べると1トラックに使われるキックの数も少なく、ダークなメロディが多いのが特徴的。また、声ネタもオッサンが叫んでたり女性の悲鳴だったりと物々しいものばかり。そしてRoughstate、End of Line、Nightbreedといった有名レーベルが動き始めた時期でもあった(正確にはEoLは2014年スタート)。
GearboxやSpoontechもバリバリに活動していて良曲もいっぱいあるけど、まだTOPチャートに絡んでくるような感じではなかった。いわゆる「Extra Raw」が台頭してくる話は2016年のまとめですることになりそうな予感。
それでは次回「2015年のRawstyle オタク編」でお会いしましょう