最近の趣味嗜好の変化とDoomcoreについて
最近は音楽から高揚感や攻撃性を得たいという欲があまり沸いてこなくなっています。要するに高まりたくないということだと思います。
アッパーな曲なんてもってのほか、曲調が暗くてもグルーヴを感じる曲はしんどい。という状態です。
(そうなった要因にいくつか心当たりはあるのですが、恥ずかしいので書きません)
聴ける音楽が大幅に減った僕が今、ひたすら聴いているのがDoomcore(と呼ばれる音楽)です。
元々Industrial Technoを聴き漁る中でちょくちょくつまんで聴いていたのですが、Industrial Technoの中で自分好みのダークな曲になかなか出会うことができず、むしろDoomcoreの方が性に合っているのではないか?と思い、前よりちゃんと聴き始めてみたのがきっかけです。
とりあえず右も左もわからない状態なので、2017年にGHz BlogにアップされたDoomcore特集を読み返しながら、アーティストやトラックを参照しています。
公開された当初は「このFifth Eraって奴ら尖りすぎだろ」と思いつつ、何やらDoomcoreというヤバいジャンルがあるんだなあ程度にしか捉えられていなかったのですが、
今読み返してもDoomcoreの定義や歴史、代表的なアーティストや曲を知ることが出来る素晴らしい記事です。
上の記事を読めばわかるように、Doomcore(と呼ばれる音楽)には明確な定義が無いのが面白い点です。
定義が曖昧だと曲を探すのが難しく感じる事もあるかもしれませんが、むしろ聴いている自分がDoomcoreだなあと感じたらDoomcoreだ、と割り切れる自由度が楽しく感じます。
アーティスト毎の特徴もかなりハッキリしていると思います。
今の自分は音楽によって高揚感や攻撃性を得たいと思わないので、ひたすら気分が沈むような、そして極力グルーヴの無いDoomcoreを好んで聴いています。キックの歪み具合とか、BPMの高低はあまり関係がありません。
そんなDoomcoreにハマりたての自分が気に入っている曲をいくつか挙げます。
Fifth Era – Grieve with me
Fifth Eraの曲からDoomcoreに目覚め始めたので、雛鳥が最初に見た物を親とみなすのと同様に自分はFifth Era=Doomcoreと捉えています。
インタビューによると彼らはDoomcoreというジャンルから自分たちを切り離したがってるようですが、そういうところも”イイ”ですね。
今でもアナログ盤でのリリースに重きを置いているようで、中には手に入れるのも難しい曲が多いようですが、この曲はよくわからないレーベルからデジタルで最近リリースされていました。初心者的にはとても助かっています。
Darkside – Satan Our Lord And Master
「Hellfire Records」を主催するDarksideによるDoomcore。不気味/破滅的な声ネタやボーカルを用いるのはDoomcoreの特徴の一つだと思いますが、この曲は聴いてるだけで呪われたような気分になってくるのが良いです。
Darksideの曲もいっぱいあるのでこれから色々聴くのが楽しみです。
▲NGST – Invoke The Cataclysm
ジャングルシーンではFFFという名義でも知られており、上のインタビュー記事を手掛けた人物である▲NGST。
20分近い曲も作っていてDoomcoreの深淵を感じさせてくれます。
Succubus Helna – Not Man Made
日本人のDoomcore トラックメイカー、Succubus Helnaさん主催の「Placenta-Pills」の曲も聴いています。
Doomcoreらしさを感じさせつつ、Uterine Fundus名義ではBloodborneの日本語ボイスをサンプリングしたトラックもリリースしていたりと、独自性もあって素晴らしいです。
現状「Placenta-Pills」のフルディスコグラフィーがBandcampで1500円弱で買えます。安すぎて買うしかない(買った)
Starving Insect – 5000 Years After The Pill
あとは「Traumatic」や「Dark.Descent.」周辺のリリースも聴いています。
これまで挙げてきたものと比べると、これらのレーベルの曲はIndustrial Hardcore寄りのものが多い印象ですが、
意識して聴いてみると、Doomを感じられる曲が多くて面白いです。
この他にもLow Entropyによる「Doomcore Records」とか、Yosuke HamadaさんのDiffuse名義でのリリースとか
探すとモリモリと鉱脈が見つかるので、消費しすぎないペースで聴いています。
またしばらくしたらDoomcoreに聴き疲れて、アゲアゲバッチバチのTechnoやRawstyleを聴き出すのかもしれませんが、もうしばらくは、この音楽に浸ってみるつもりです。
dehamata